← すべての投稿に戻る

By Roxチーム

Roxに込めた想い - AI時代の新しい開発のかたち

はじめに

「愛がロックする。Rox。」

このキャッチコピーには、私たちの想いが込められています。Roxは単なる技術プロジェクトではなく、新しい時代の開発のあり方、日本の開発者コミュニティへの期待、そして既存のプロジェクトへの敬意が詰まったプロジェクトなんです。

なぜ今、Roxなのか

AI時代の開発革命

AI支援によるペアプログラミングが実用的になった今、開発の世界は大きく変わりました。以前は大規模なチームが必要だったプロジェクトも、今では1人、あるいは少人数のチームで始められるようになってきています。

でも、ここで大切なのはAIを信用しすぎず、人の力を信じることだと思っています。AIは素晴らしいツールですが、あくまでツール。最終的な判断や創造性は、やはり人間の手にあります。AIに助けてもらいながらも、人間の創造性と判断力を大切にする——そんなバランスを保ちたいと考えています。

この変化は、新しい可能性の扉を開きました。歴史ある素晴らしいプロジェクトへの敬意を払いつつ、最新の技術を使って「もっと軽量に、もっとシンプルに」実現できないか——そんな問いから、Roxは生まれました。

Misskeyへの敬意と新しい選択肢

Misskeyは利用者として本当に素晴らしいプラットフォームです。その機能性、コミュニティ、そして日本発のプロジェクトとしての存在感は、私たちに大きなインスピレーションを与えてくれました。

ここで強調したいのは、Roxは対抗ではなく共存を目指しているということ。

Misskeyと互換性を保ちながら、Reactベースの新しい選択肢を提供する。NoteやリアクションといったMisskeyの素晴らしい機能には原則として対応していく。これは「置き換え」ではなく、エコシステムに新しい「選択肢」を加えるということなんです。

技術選択の哲学

日本発の技術への期待

Roxの技術スタックには、意図的に日本人開発者による素晴らしいプロジェクトを採用しています:

  • Waku & Jotai - Daishi Katoさんの革新的なReactライブラリ
  • Hono - Yusuke Wadaさんの高速Webフレームワーク

これらを選んだ理由は、単に「日本発」だからではありません:

  1. 技術的な優位性: 新しい技術により、サーバー負荷が少なく動作が速いプログラムを実現できる可能性
  2. コミュニティの近さ: 同じコミュニティにいることで、質問がしやすく、直接話を聞く機会がある
  3. 日本のプレゼンス: もっと日本発のプロジェクトが世界に広まってほしいという願い

そして、今後も素晴らしい日本人のプロジェクトが登場したら、作業負荷を考慮しつつ、依存モジュールを差し替えていくこともあるかもしれません。これは柔軟性と、日本の開発者エコシステムへの継続的な投資を意味します。

軽量さへのこだわり

「軽量なプログラム」とは何か?Roxでは以下を目指しています:

  • サーバー負荷の軽減: より少ないリソースで動作する
  • 高速な動作: ユーザー体験を損なわない応答速度
  • モダンな技術: 新しい技術による改善の可能性を積極的に取り入れる

これは、個人サーバーでも運用しやすく、大規模インスタンスでもコスト効率が良いプラットフォームを目指すことを意味します。

プロジェクトの名前に込めた想い

Rox - Reactで書かれたBox

プロジェクト名「Rox」は「Reactで書かれたBox(Inbox/Outbox)」から来ています。ActivityPubの中核概念であるInbox/Outboxを、Reactで実装する——シンプルで、本質を表す名前です。

The Love Rocks - 音楽からのインスピレーション

公式サイトのドメイン love-rox.cc は、Dreams Come Trueのアルバム「The Love Rocks」から取りました。キャッチコピー「愛がロックする。Rox。」も同様です。

技術プロジェクトに音楽からのインスピレーション?実は、音楽にあやかってプロジェクト名や開発コードネームを付けるのは珍しいことではありません。macOSの「Monterey」「Ventura」などの地名シリーズや、Androidの「KitKat」「Oreo」などのお菓子シリーズなど、技術と文化が交差する場所には、しばしば遊び心があります。

開発も音楽も、創造的な表現。愛を込めて作る、その想いを大切にしたいんです。

バージョニングの考え方

Roxでは独特のバージョニング戦略を採用しています:

  • パッケージごと: セマンティックバージョニング(1.2.3形式)
  • プロジェクト全体: 年月ベースのバージョニング(2025.11形式)

これは利用者が「いつのバージョンを使っているか」を直感的に理解できるようにするためです。現在の年月と大きく離れたバージョンを使っている場合、アップデートを検討するべきサインになります。

コミュニティへの想い

日本語を第一言語とする開発

Roxの開発では、日本語を第一言語としています。これは:

  • 日本人開発者のチャレンジ機会: 英語がハードルにならない環境を作る
  • コミュニケーションの質: 母語で深い議論ができる
  • 多様性の尊重: 英語優先が当然ではない世界を示す

もちろん、英語でのコミュニケーションやコントリビューションも大歓迎です。GitHubのissueやPRなど、一般的な場では英語も使用しています。

OSSとしての成長

RoxはOSSの形式で開発を続けていきます

まずは基本的なバージョンをリリースし、そこからは様々な方の力でRoxを成長させていただきたいと考えています。コミュニティ主導で、みんなで作り上げていくプロジェクトです。

日本語を第一言語とする開発者コミュニティとすることで、日本人の開発者がOSSにチャレンジできるシーンが増えることを願っています。

これからのRox

Roxはまだ始まったばかりです。これから:

  • 基本機能の実装と安定化
  • コミュニティの形成と成長
  • Misskey互換性の向上
  • パフォーマンスの最適化
  • ドキュメントの充実

そして何より、あなたの参加を待っています。

参加しませんか?

開発者の方へ

Roxは、こんな開発者を歓迎します:

  • 新しい技術に興味がある方
  • 日本語でOSSに貢献したい方
  • ActivityPubやFediverseに関心がある方
  • 単純に面白そうだと思った方

経験は問いません。大切なのは、一緒に作り上げていく気持ちです。

利用者の方へ

Roxを使ってみたい、という方も大歓迎です:

  • 新しいSNS体験を試してみたい方
  • Misskeyの機能が好きで、別の選択肢も見てみたい方
  • 軽量で速いプラットフォームを探している方
  • 日本発のプロジェクトを応援したい方

まだ開発中ですが、フィードバックや要望も大歓迎です。使ってみて感じたことを教えてください。それが、Roxをより良くする力になります。

参加方法

おわりに

AI時代の開発、日本発の技術、オープンソースコミュニティ——Roxはこれらが交差する場所に生まれました。

歴史あるプロジェクトへの敬意を忘れず、新しい技術の可能性を信じ、みんなで作り上げていく。そんなプロジェクトでありたいと思っています。

愛がロックする。Rox。

あなたも、この旅に参加しませんか?